花燃ゆ あらすじ◇第13話「異国の脅威」
途方もない嵐がこの国に吹き荒れようとしていた
松下村塾には前原一誠が目出村から戻ったり
長崎で洋式砲術を学んだ小野為八が新たに加わるなど変化が起こっていた
また 萩では「コロリ」という伝染病が人々の間に蔓延していた
コロリは長崎に停泊中のアメリカ船『ミシシッピ号』で発生し
広まったという
コロリに薬はない・・・
文は伊之助の実の兄である松島剛蔵より聞き
患者には絶対近づかない以上に対処法はないと言った
寅次郎はこの話を聞き
異国からの病に何の手立てがないこの国の現実を憂慮した
「われわれはすでに無力のまま 彼らの脅威にさらされてとる・・・!」
国の行く末を考える心は井伊も同じであった
「今の日本に欠かせぬものは 病に打ち勝てる西洋の知識 文明じゃ」
そして井伊は勅許を待たずにアメリカとの修交通商条約を締結してしまった
このころ 幕府の横暴に危機感を募らせた寅次郎は
「大儀を議す」という建白書を書き上げた
勅許を得ずに条約を結んだ徳川将軍を天皇に大逆ある賊とみなし
「討て」という過激なものだった
藩の重臣・長井雅楽はこの建白書を問題視したが
伊之助は幕府が天皇を彦根に移すという噂を持ち出し
建白書にある寅次郎の憂慮が真か偽か確かめるべきと主張した
この幕府が天皇を彦根に移すという噂は
真偽を確かめに久坂を京へと駆り立てていた
そんな中 塾生の山根がコロリに罹病し亡くなった
「薬も医術も念仏も 何一つ助けにならんかった・・・
兄上 教えてつかーさい これも異国のせいなんですか?」
分からないことだらけの文に寅次郎は
「文・・・戦いとはただ戦のことをいうのではない
屈しない心を持つことをいうのだ」
そう 意味深な言葉を告げる兄の思いは
文と遠く離れた物となりつつあったった
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